翌日の朝食の席で、は夕べの星宿のプロポーズめいた告白を

思い返し、あまり箸が進まないでいた。


「おいおい、お前、さっきから、あんまり食ってねえじゃないか・・ちゃんと食べないと

 細いのが、さらに細くなっちまうぞ、美朱みたいに沢山食べないとな」


「けっ、お前と一緒やとも食欲わかんのちゃうか?」


故郷に残してきた妹を世話するかのように、の取り皿に中華料理を

装ってやっている鬼宿にカチンときて翼宿は言い放った。


「さっきから態度悪いな、お前・・何だよ、はじめて会った時も挨拶もなかったじゃねえか?」

その聞き捨てならない言葉に、鬼宿はがちゃりと茶碗と箸を置いて言い返した。

「これがはじめてやと!?」

かっとなった翼宿はお返しにとばかり、がちゃんと茶碗と箸を

食卓に叩きつけ怒鳴り散らした。


「おんどれ、この俺の怪我、誰のせいやと思ってんねん!?

 おまけに女のこいつにまで怪我させたやんけ!!」

「あぁ〜痛ぇ、痛ぇ、痛ぇ〜、急に傷が痛みだしたわ〜

 お前の能力で冷やしてくれぇ〜頼むわ〜!!」


翼宿は途端にぎゃあぎゃあ喚きだし、いまだお箸が口でとまってる

に助けを求めた。


「翼宿、悪いけど、さっきから、全然っ聞いてないわよ」

鬼宿とのみっともない口げんかに発展した翼宿に、

柳宿はあきれたように突っ込んだ。




「おっかしいわねぇ〜」

「どうしたの、柳宿?」

は星宿と話して戻ってきた井宿も交えて、鬼宿、柳宿と談笑していた。

柳宿はさっきから紅色の手鏡を片手に首を傾げていた。


「ほら、この鏡、四神天地書代わりに七星士探しの為に太一君から

 もらったじゃない」

「それが、さっきから光ってるのだ・・」

井宿の困った様子に、はいぶかしんでのぞきこんでみた。

そこには張宿を示すキーワードの「知」という文字が浮き上がっていた。

「そんなまさか・・ちょっと貸して!」

は柳宿から鏡をひったくると、つむじ風のように部屋を出て行った。

「あ、!どこ行くのよ!」

柳宿がたずねても振り返りもせずに。



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