あじさいが咲き乱れる大木の下で、待ち構えていた鬼宿の襲撃を

防いだのはと翼宿だった。




翼宿が俊足で鬼宿のヌンチャクに襲撃されそうになっていた美朱を

抱え上げてジャンプし、がいい具合に鬼宿の間合いに回り込んだ。


鬼宿のヌンチャクがが、抜いて盾にした剣に運良く当たって跳ね返り、

彼は凄い形相で跳ね返ったヌンチャクを引くと、後ろに飛びさすった。


「お前――俺の邪魔する気かよ!」

「鬼宿――いったい何を血迷ったんだ!?」


獲物を外した鬼宿は、殺気だった目をに向け、

は信じられない面持ちで仲間の変わり果てた姿に叫んだ。


「この娘はお前の恋人じゃないのか!?」

はむなしく叫んだ。

「そんなもん知るかよ!白虎のよそ者にとやかくいわれたくねえ!」

鬼宿は荒々しい口調で彼女に向かって口汚く罵った。


「お前が朱雀の連中にくっついてる白虎七星か、探す手間が省けたぜ。

 朱雀七星ともどもまとめて片付けてやる」


この上ない意地悪い笑みを浮かべた鬼宿は、ヌンチャクのくさりをびしっと

引っ張ると宣戦布告した。



「どいとれ、

彼は油断なく剣をかまえたをちょっと横におしやって命じた。


「えっ?」


「ここは俺がかたつけたる。お前はさがっとれ。鬼宿、美朱の腕砕いたんお前やな」



ぶるぶると激しい怒りに打ち震えた翼宿がゆっくりと立ち上がって、鬼宿をにらみ付けた。


「腕だけやのうて、美朱の気持ちまで粉々に砕きよって、おんどれだけは絶対に許さん!」

翼宿の怒髪天をつく怒りが今爆発した。




「叩きのめしたる!」


翼宿の怒りの雄たけびが大空に響き渡った。


「翼宿、やめるのだ、彼も同じ朱雀七星なのだ!」


「じゃかましい、これが仲間のすることか!?」


「今すぐ射てもうたる!」


井宿の悲痛な制止を振り切って、翼宿は鬼宿に突っ込んでいった。


翼宿のパンチが繰り出され、それを鬼宿がはじき、

鬼宿の迫り来るヌンチャクを避け、翼宿の回し蹴りが炸裂した。






上空に飛び上がった翼宿を鬼宿のヌンチャクが待ち構えていたように


彼の腹を直撃し、その衝撃で翼宿は近くにいたにぶつかって倒れた。



「おんどれ・・」

「まだやるのか?朱雀七星同士で争うなどこのままじゃらちがあかない――」

「止めるな、、今回だけはどうしても見逃されへんのじゃ!」


痛そうに顔をしかめた翼宿を起こしたは、心配そうに言ったが、

彼は有無を言わせぬ調子でそれを振り切った。



「翼宿・・」

は剣を手にしたまま、鬼宿に向かって火炎放射を

放った彼を眺めていた。


「翼宿、お願い、やめてぇええ!!」


この手に汗握る戦いを打ち破ったのは朱雀の巫女の悲痛な叫びだった。


「鬼宿が、鬼宿が死んだら私・・どうしたら・・」


その声にぴたりと翼宿の足が止まった。



「翼宿、何をしている!?」

が気づいて叫んだ時には鬼宿の強烈なキックが

翼宿を襲った。


彼はなんとか両腕でキックを食い止め、その衝撃で地面をニ、三メートル引きずった。


「お前なんか素手で充分じゃ!」

「そうかよ!」

舐められたと激怒した鬼宿の右フックが翼宿を地面に

叩きのめした。


そして、鬼宿は残酷にも翼宿の頭をブーツでで踏んづけ

動けないようにしてから、思い切りヌンチャクを振り上げ、翼宿の体をぶちのめし始めた。


「やめろ、鬼宿!」

ヌンチャクの度重なる強打によって、血しぶきがあがったのを見たは、

体あたりで鬼宿を止めに向かったが、彼は

彼女の攻撃をちょいと軽くかわしただけで、


「さっきから邪魔すんじゃねえよ!よそ者が!」と叫び


思い切り強烈なキックで蹴り飛ばすと、近くの木の幹に叩きつけた。



「へっ、ボケが、甘いんじゃ。俺がこんぐらいで・・」

・・俺がかたつけたるかな、まっとれよ」

彼女は激しく木に頭をぶっつけ、幹の下に手を置き倒れていた。

茶系統の帽子の中にきつくまとめていた髪が乱れ落ち、隠れていた長い髪が地面に扇状に広がっていた。

翼宿は隣で意識が飛んでいる彼女に語りかけ、体から血をだらだら流しながら

再び立ち上がった。



その後、翼宿は突然、目の前に姿を現した心宿に襲いかかったが、

逆に激しい気で鬼宿のもとへと吹っ飛ばされ、気を失ってしまった。














テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル