「グリフィンドール、リード!80対0!あのファイア・ボルトの動きをご覧下さい!ハリー選手の華麗なターン!

 どうです、あのターンを?チャン選手のコメットは到底かないません!ファイアボルトの精巧なバランスが実に目立ちますね」

「ジョーダン、いつからファイアボルトの宣伝係に雇われたんですか?まじめに実況放送を続けなさい!」

マグゴナガルはさっきから延々とファイア・ボルトの宣伝ばかりしているリーを叱り付けた。

今日はグリフィンドール対レイブンクローの優勝杯をかけた重要なクィディッチの試合だ。

レイブンクローのシーカーは女性で四年のチョウ・チャン選手だ。彼女は飛行の名手で乗っている箒はコメット260号さながら、

グリフィンドールのシーカーはさきほどから苦戦を強いられていた。



「レイブンクロー、チャン選手、早い、早い、すごい加速力です!三度目のスニッチ到来、グリフィンドール、ハリー選手・・

 これはきつい!レイブンクロー側からブラッジャ―がハリー選手めがけて飛びました。ハリー選手宙返りで交わしました!

 おおっとチャン選手スニッチを追いかける、追いかける、ハリー選手追いつけるか?頑張れ!スニッチとの距離あと2、3メートル!

 ああっ!今度はグリフィンドール側からブラッジャ―が飛んできました!

 チャン選手、よけたが勢い余ってスニッチを追うハリー選手に激突!

 大丈夫でしょうか?これは痛かった!さあ、両者とも体勢を立て直し、再びスニッチ奪還に走りました!」

マグゴナガル先生がリーに注意している間には実況を続けていた。

試合会場は白熱した熱気に包まれた。


「遂に決着がつきました!!ハリー選手スニッチをつかんだ。本年度優勝杯獲得はグリフィンドールに決定致しました!!」


今度はリーがマイクで試合終了と優勝杯獲得を大声で観衆に告げた。


大騒ぎのグリフィンドール応援団とグリフィンドール・クィディッチチームが、フィールドに降り立ったハリーを取り囲み

たちまち彼を胴上げし始めた。





「あ〜あ、今日はしゃべりすぎて喉がガラガラよ!でもよくやったわ!万歳!優勝おめでとう!シーカー!」

「乾杯!すごかったぜハリー」

「最高の試合だったわ!」

「三人共ありがとう!」


談話室に戻ったハリーは 、ロン、ハーマイオニ―、その他グリフィンドール生と共に祝杯をあげていた。


その日1日中優勝杯獲得のお祝いは続いた。




数日後、ハグリッドの小屋にビーキーの控訴裁判のことを聴きに行った達はハグリッドから最悪な結果を告げられてしまった。

「俺たちが負けた。お前さん達、場の悪い時に来ちまったな・・処刑日は今日なんだ。

 この後、ファッジやダンブルドア先生、死刑執行人のマクネアが

 来る。ダンブルドアは努力なさった、だけんど委員会の決定を覆す力はお持ちでねえ。

 お前さん達がビーキーのために色々助けてくれたことには

 何といって感謝したらいいかわからねえ・・」

ハグリッドは絶望のあまり空をぼんやりと眺めていた。


「ハグリッド、私達、ビーキーの処刑の時、側にいるわ・・・」

ハーマイオニ―が涙をぼろぼろと流しながら、かすれる声で言った。

ハリー、ロンは声も無くうなだれていたし、 はあまりのむごさに声を押し殺し、椅子に頭をもたれかけ、その綺麗なブラウンの瞳から

美しい涙を一つ、又一つとこぼしていた。


「それは駄目だ!お前さん達には見せたくねえ!城さ戻るんだ。それにここにいては駄目だ。ファッジ大臣やダンブルドア先生に

 お前さん達がここにいることが知れたら面倒なことになる!さ、もう早く行け!」

動揺していたハグリッドは、思わず横にあったミルク入れを床に落してしまった。

「スキャバーズ!?」

ロンがびっくり仰天して、床でキーキー喚いているネズミをひっつかんだ。

「何でこんなとこにいるんだ!?」

その声でハリー、ハーマイオニ―、 は彼の手に握られているネズミに視線が釘付けになった。

スキャバーズはボロボロでやせこけ、毛が前よりもばっさり抜け、あちらこちらが大きくはげていた。

「そのネズミは数日前から俺のところに居た。ロン、もっとペットの管理をしっかりしにゃならんぞ」

ハグリッドは涙にかきくれた顔を上げて、かすれた声で注意した。


「しっ、いけねえ・・連中がきよった・・おまえさんがた裏口から出るんだ!早く!」

ハグリッドが急に立ち上がった。足音が近づいてきてドアがノックされた。

「ちょいと待っててくれ!」

ハグリッドはドアに向かって叫んだ。

「行け、もう行くんだ」

「でもハグリッドそんなことできないよ」

「僕たち何があったのかあの連中に話すよ!」

「ビーキーを殺すなんてだめよ!」

「行け!」

四人の懇願の声を振り切ってハグリッドは最後の警告を発した。


「急ぐんだ!聞いちゃなんねえぞ」

四人は仕方なく、最後の望みを断ち、小屋の裏の戸をそーっと開けた。

それと同時にマクネア、ファッジ、校長が表の入り口から小屋の中に入るのが見えた。

「お願い、急いで!」

ハーマイオニ―がうめいた。

「私耐えられないわ・・・」

が囁いた。

四人はカボチャ畑を横切った。と視界にバックとビークが大きな杭に鎖でつながれているのが目に入った。

ヒッポグリフは不安そうにあたりをきょろきょろと見渡していた。


「さよなら、ビーキー・・」

は涙を流しながら小さく呟いた。


四人は城に向かう芝生を上り始めた。

夕闇が迫っていた。空は血のように紅く不気味に変化していた。

芝生をすごい勢いで四人が上り詰めた時、後ろからドサァッという鈍い金属音が響き、

カボチャ畑に何十羽もいたカケスの群れがけたたましい泣き声をあげて

いっせいに空に羽ばたくのが見えた。


「ああっ・・」

ハーマイオニ―は声にならない叫びをあげて、ロンの首にかじりついた。

「やってしまった・・・」

はふらふらとその場に立っていられなくなり、ハリーの腕の中で倒れこんだ。

ロンは何ともいえない顔をして片手でハーマイオニ―の髪を撫でてやった。

「いてっ!スキャバーズ!?」

ロンは悲鳴を上げて、ハーマイオニ―から離れた。

ネズミがロンの人差し指に噛み付き、そのまま地面にポトリと落ち、近くの森に向かって逃走したのだ。

「待て、どこに行くんだ!お〜い!」


ロンは噛まれた痛みも忘れて、猛ダッシュでネズミを追っかけて森へ入っていった。


ハリー、 、ハーマイオニ―はわけがわからなかったが、とにかくロンの後を追うことにした。


森を抜けたところで、大きな芝生しか生えていない平地に出た。

「ったく!やっと掴まえたぜスキャバーズ!いったいどうしたんだ?」


ハリー、 、ハ―マイオニ―の視線の先にはスキャバーズをやっとこさ掴まえ、握り締め、地面に座り込むロン。

そして、その真上には暴れ柳の木が悠然とそびえていた。


「ロ、ロン、う、上・・」

が声を震わせた。

太い枝が一発目の殺人パンチを飛ばしてきた。

ロンは悲鳴を上げてとっさに地面に伏せた。太い枝のパンチはロンの頭の上すれすれに通過した。

「ロン、避けろ!」

ハリーが大声で警告した。

二発目のパンチが飛んできた。

ロンはギリギリで地面を転がって身を交わし、暴れ柳のパンチが届かないところへ猛ダッシュで逃げた。

ハリー、ハーマイオニ―、 がロンに近づこうとしたその時だった。

ハーマイオニ―が一点を指差して叫んだ。

「今度は何だよ?」

ロンはハーマイオニ―の方を見て、怪訝そうに聞いた。

恐ろしい唸り声がロンの後ろから響いた。真っ黒な毛並みの牙をむき出した犬が芝生の上にたたずんでいた。


「野犬よ!!」

が悲鳴を上げた。

犬はすごい勢いでこちらに走ってくると、ロンの横に少し離れて立っていた

そして、ハリー、、ハ―マイオニ―の頭の上を大きくジャンプし、軽々と飛び越した。


三人は恐ろしさのあまり、ヒャッとその場にしゃがみこんでしまった。

「助けて〜!!」

三人がロンの方を再び見たとき、彼はあの黒犬に足を噛まれ、

ズルズルとそのまま凄い勢いで暴れ柳の方へ引き釣り込まれていくところだった。



ハリーが柳に向かって猛ダッシュした。もはじかれたように立ち上がりハリーの後を追った。ハーマイオニ―も続いた。

「ハリー、助けてくれ!!」

ロンが絶望的な声をあげた。柳の根元にぽっかりと大きな穴が開いている。犬はロンをそこに引き込もうとすごい勢いで走っていた。

間一髪、追いついたハリーがロンの右足首をつかんだ。

だが、木の殺人パンチがハリーを直撃し、彼は吹っ飛ばされた。

ロンの絶叫はやがて犬に引きずられ、穴の奥に消えていった。

一方、 とハ―マイオニ―はようやくハリーの下へたどり着いた。

ハリーは腹のあたりを押さえながら立ち上がった。

「しっかりして!あ、危ないっ!」

ハーマイオニ―は一番近くに居たハリーを突き飛ばした。

殺人パンチが間髪いれずに、三人目掛けて飛んできた。

ハーマイオニ―はハリーに覆い重なるように倒れた。

「来たわよ!!」

二人とは別方向に倒れたが叫んだ。

今度は暴れ柳が二人の足元をねらって飛んできた。

ハーマイオニ―とハリーは高くジャンプして攻撃を交わした。

!ロンを追え!君ならあの穴に入れるかもしれない!」

ハリーが柳のパンチを交わしながら叫んだ。

「猫よ!猫になるのよ!早く!猫になれば柳の攻撃を避けやすいわ!」

ハーマイオニ―が枝のヘビーブローを交わしながら叫んだ。


「早く!僕たちのことは構わずにロンのところに行くんだ!君ならいくことが出来る!」

「ハーマイオニ―!!」

は悲鳴を上げていた。

ハーマイオニ―は柳の直接攻撃を避けようと枝にぶら下がって、グルングルンと柳にいろんな角度から回されていたからである。

「早く行くんだ!!」

ハリーも飛んできた柳の枝にジャンプして、掴まった。

はもう迷わずに猫へと姿を変えていた。

敏捷性、柔軟性、走力、飛力は人間の時よりも確実に優れていたので、枝のどんな攻撃もひょいひょいと交わすことが出来、

遂に最後の枝のパンチを交わし、一瞬の隙をついて、思いっきりジャンプし、穴の中に転がり込んだ。

「成功したよ!ハーマイオニ―。彼女が穴の中に侵入できた!」

ハリーは未だに枝にしっかりと掴まりながら言った。

「そう、だけど私達まずくない?」

ハーマイオニ―も枝にしがみついていた。

「しっかり掴まれ!振り落とされるな!!」

枝がグルリグルリと猛スピードで回転し始めるとハリーは叫んだ。


一方穴の中にかろうじて転がり込んだは暗い洞屈内を歩いていた。

かすれるような悲鳴が上がった。そこにたどり着くには洞窟内の途中で木の階段を上っていかなければならなかった。

彼女は木のきしむ階段を何段も上り、耳をそばだて、彼の声が最上階からのものだと確認した。

最上階にたどり着くと、ボロボロに崩れたドアがあった。

彼女は息を殺し、そーっと中に侵入した。

ロンは床に座っていた。犬にかまれた左足をクの字に曲げていた。

彼女は安心させようとロンの側に行って鳴いた。

?」

ロンは声を震わせながら言った。

あの黒犬が部屋の隅から近づいてきたので、 は全身の毛を逆立て、すごい唸り声を上げた。

犬はその唸り声に一瞬怯んだ。

は爪をがりがりいわせ、ロンの前に立ちはだかり、「これ以上近づいたら承知しない!」

と威嚇し、腰を低くするとすぐ飛びかかれるように攻撃のかまえをとった。

一瞬の沈黙の後、犬の周囲からもくもくと煙があがった。

「降参だ・・それ以上牙を剥くのは止めてくれないか」

煙の中から一人の背の高い男性が現れた。

汚れきった黒い髪が肘まで垂れ、暗い落ち窪んだ瞳がぎらぎらと輝いていた。

まるで生ける骸骨のようだった。

ロンは悲鳴を上げた。

彼は恐ろしくてガタガタと震えていた。


とその時、ロンの目の前でが変身を解いた。

猫の体がふるふると震えだし、だんだんと人間の姿に変化していった。

「君は、アニメ―ガスだったのか?」

ブラックが突然の出来事に目を丸くして、目の前の,自分と同じ黒髪をした女性に尋ねた。

「違うわ・・薬で変身したのよ。どういうこと?あなたはあの黒犬なの?」

は前回と比べると、彼を怖いと思わなくなっていた。

「そうだ、私はアニメ―ガスだ。それより 、会いたかった・・」

ブラックはうわごとのように呟くと、間髪いれずに目の前の彼女を両手で抱きしめた。

はあまりにも突然の出来事に頭が混乱しており、彼に抱きしめられてもぼーっとしていた。


「どういうことなんだ? はそいつと知り合いなのか!?」

後ろでは足をクの字に曲げたロンが状況を理解できずに叫んでいた。


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