前日、ハリー達はいろんな授業を受けたのでやや疲れ気味でその日の朝食の席に着いた。

「おはよう,姫!!」

お騒がせコンビのフレッド&ジョージが、真っ先に彼女を見つけ後ろから思いっきり抱きしめた。

「え、あ・・おはよう・・フレッド・・ジョージ」だが、の反応はいまひとつで、心なしかふらついていた。

「あれ、姫、今日はどうなされたのですか?お加減が悪いようにお見受け致しますが・・」

フレッドがひょいと顔を覗き込み、若干茶化しながら尋ねた。

「えっ?あ・・ああ・・きのせいよ。大丈夫だから心配しないで」

そうやって無理に は笑顔を作り、トーストを取った。

しかし、やはりふらつくものはふらついた。



「姫、医務室にいかれてはいかがですか?ほらそんなにふらついて!そうだ!我らが連れてって・・」

見かねたジョージが提案した。

「ホントに大丈夫だから!それに今日の授業、飛行訓練だから絶対に受けたいの!」

だが、はきっぱりと彼の提案を途中で遮った。

「仕方ない・・姫がそこまでおっしゃられるのなら・・でも、無理は決してなさいますな!」

仕方なく双子はあきらめて身を屈め の頬にかわりばんこにキスして立ち去っていった。




「あらら・・あなた相当気に入られてるのね・・」

それを見たハーマイオニ―が驚き呆れて呟いた。

「兄貴達、この間列車で に会った時から浮かれちゃって、あーあ、とうとうキスまでするようになったぜ。」

ロンは苦笑いしながら、ベーコンエッグを一つとって口の中に放り込んだ。



!!聞いてるの?さっきから意識ないよ!」

ハリーが相変わらずの反応の彼女の気づいて、慌てて肩を揺さぶってみた。

「どうしたんだい?君フレッド&ジョージにキスされた時もボーっとしてたよ」

「ご、ごめんやっぱり医務室にいってくるわ」

もこれではまずいと思ったらしい。自分で医務室に行くことにした。


「私、ついていくわ!」

そう声をあげたのはハーマイオニ―。

「僕も行くよ!」

ハリー、ロンも続いた。

「だめよ!四人揃って授業遅刻するなんて!」

この案はすかさずが握りつぶした。

それに、ふと大広間の時計を見上げると授業までわずかな時間しか残されていなかったのだ。



その後、医務室までどうしてもついていくといって聞かない三人を無理やり納得させて医務室へ向かった

しかし、一歩一歩前進するごとに視界がかすんだ。心臓の鼓動が急に激しくなり、脇からじっとりと冷や汗がにじみ出た。

とうとう彼女はめまいを起こしてその場に倒れてしまった。


廊下はシーンと静まりかえっていた。

先生、生徒は授業中なので誰一人ここを通らない。

が、今日に限ってたまたまここを通りかかった幸運な人物がいた。

セブルス・スネイプはこの日の一時間目、授業がなかった。彼は用あって の倒れている廊下にやってきた。

そして、彼は銅像の足元からかすかにのぞいているものを発見して急いで近寄ってみた。

!?」そこには美しい黒髪を振り乱し横向に倒れている の姿があった。

「おい、どうした!?」そういってスネイプは彼女を抱き起こし、脈があるかどうか調べた。顔は蒼白でまるで死人のようだ。

「薬が切れたのか・・仕方ない」

スネイプはチッと舌打ちすると 抱きかかえると黒いマントを翻して立ち去った。


は眠り続けていた。ここはスネイプの研究室だ。

彼は以前、ブラド夫人から「脱吸血薬」をに今持たせている分が無くなったら作ってやってくれと頼まれていた。

「脱吸血薬」とは吸血鬼の性質を押さえる薬で毒蛇、ムカデの血、ベニテングダケ、ツキヨダケ、イッポンシメジ

その他の材料を混ぜ合わせて作る強力な苦い薬である。

「あれ、ここは?」

「気がついたか?」

の上には仏頂面の教授の顔があった。彼の瞳の中をよくのぞきこめば心配でたまらないというのが分るのだが。

「私、倒れたのですね・・」

!急激に血の巡りが悪くなっている、あのままあそこに放置されていたらそのままお陀仏だ」

「先生、すみません。ご迷惑かけてしまって・・あの、でも薬は毎日飲んでいました。

それなのになぜ?本当にすみません。私のせいで授業つぶして・・」


「ばっ!馬鹿者!お前が悪いんではない。それに我輩は今日は授業がない。フン、お前の伯母はお前に渡す薬の量を間違えたようだな!」

慌ててスネイプは の言葉を遮った。

「ワインボトルの半分くらい、毎朝飲んでるんです」

「足らんな!それは成人の量だ。成長期のお前はその二倍の量はいるな。」

「飲め!」とスネイプはゴブレットに入った薬を彼女に渡した。

「うえっ!なんか伯母さんのよりまずい・・」

彼女gq一気に飲み干すと苦い液体が体中を駆け巡った。

「あたりまえだ。良薬口に苦しだろう」

スネイプの口元に長い間使わなかったさびついた笑みが浮かんだ。

「ありがとうございます。本当に助かりました!」

帰りがけ、 はとびっきりの笑顔で教授にお礼を言った。

「ああ、早くいきなさい・・」

スネイプは妙にそわそわし、落ち着かなくなっていた。

その後、しばらく教授は物思いにふけっていた。






がようやくスネイプの研究室から戻ってきた。

はスネイプから渡された「脱吸血薬」を飲んですぐにでも授業に戻ろうとしたが、立ち上がろうとすると

体がクニャリとなるので、スネイプに「ここでしばらく休め。」といいつけられて飛行訓練ぎりぎりの時間まで待機していたのだ。



!!君、いったい何処へ行ってたんだい?」

「あなた、私本当に心配したんだから!!医務室に行こうにもいなかったじゃない!!」

「君、まさかどっかで倒れて今気づいたってわけじゃないよね?」

が他の生徒より遅れて入ってくると同時にハリー、ロン、ハーマイオニ―の声が飛び掛ってきた。

「ごめんごめん、あのね・・」

が詳しい事情を説明しようとした瞬間、ビシッとしたデカイ声が飛んできた。

「こんにちは!皆さん!!」

短くきった銀髪をさっそうとなびかせたフーチ教授の登場だ。その場にいた生徒達は急いで挨拶を返した。

「さあ、今から飛行訓練をやりますよ!!ボヤボヤしないで箒の前に立って!」

「右手を箒の上につきだして、そして、上がれと唱えます!さあ、やって御覧なさい」


フーチ教授の指示を受けて、皆、やってみた。

ハリー、ドラコの箒はすぐさま飛び上がった。だが、 、ロンの箒は勢い余って鼻に激突した。

「そんなに笑わないでよドラコ、ハリー!」鼻を痛そうにさすりながら は恨みがましく言った。

ハーマイオニ―のなかなか上がらなかった箒も無事に手に収まり、まさにフーチ教授がホイッスルを吹こうとしたその時だった。

立て続けに甲高い悲鳴があがった。

「ミスター・ロングボトム、落ち着いて、落ち着きなさい!!」

ネビルの箒が勝手に飛び上がり、地面から五メートルほどの高さに浮いていた。

マダム・フーチが箒を取り押さえる間もなく、彼は穴の開いた風船のごとく空高く飛んでいった。


だが、それも束の間、ネビルの大絶叫に負けず劣らず今度は の悲鳴が上がった。

「こら!!ミス・ 、ミスター・ロングボトム戻ってらっしゃい!!」

・フーチ先生がだいぶ下のほうで怒鳴っているのが聞こえたが、二人の耳にはそれすらまともに入らないらしい。

の目の前にネビルが危なかっしく飛行していた。

箒はグラグラゆれて を振り落とそうとしていた。

ネビルはもっと悲惨だ。完璧にコントロールを失ってあちこちに激突していた。



「ポッター、マルフォイ!!何してるんです!!」

フーチ教授は今度こそかんかんだった。

二人は同時に箒にまたがり、 のところへ行こうとしていたのだ。

「やめなさい、危険です!!」

フーチ先生が二人をつかみかかり、必死に阻止した。



その間に上空の は悪戦苦闘していた。

「下がれ、下がれ!!」そう叫んでみたが、箒が暴れて何も効果がない。

もうどうにでもなれと彼女は半ばヤケクソで箒の柄を思いっきり下に向けた。

一気に箒は急降下した。

ネビルの姿が彼女の視界に入ってきた。

ちょうど彼女が急降下した地点に彼は塔の銅像にマントをひっかけて身動きが取れなくなっているらしかった。

そして、運悪くネビルが の箒の上に落っこちた。

急な負荷がかかった箒はコントロールすらままならず、地面に大激突した。




「ミスター・ロングボトム!!ミス・ !!」

フーチ先生、他の生徒が慌てて駆け寄ってきた。

「うう、痛いよ・・」

「ミスター・ロングボトム!まあ、手首が折れてるわ!! !! !!」

フーチ先生はネビルの横にいたの頬を叩いた。反応がない。

頭を打ちつけたようだ。

「私はこの子達を医務室に連れていきますからその間誰も動くんじゃありませんよ。

さもないとクィディッチのクを言う前にホグワーツからでていってもらいます!!」



「さあ、行きましょう!!」

それだけまくしたてるとフーチ先生は を抱きかかえ、ネビルとともに行ってしまった。







「見たか?ロングボトムの泣き面を」

残されたマルフォイと他のスリザリン寮生がさっそくはやしたてた。

「ほらみろよ!あいつのばあさんが送ってきたバカ球だ」

マルフォイはそういうと赤い球をつかみ、優雅に樫の木の枝まで舞い上がった。



「ちょっとハリー、あなたまで勝手に飛んじゃダメ!!」

ハーマイオニ―の静止を無視してハリーは負けじと箒を飛ばした。

「マルフォイ、それを渡せ!でないと箒から突き落とすぞ!」

ハリーはいつもより虫の居所が悪く、いらいらしてマルフォイに当たりちらした。


「ヘえ〜、ポッター君、 を助けられなかったことがそんなに悔しいかい?」

その心の底を読んだかのようにマルフォイが嘲った。



「君こそどうなんだ? を助けられなかった癖に!」

ハリーは真っ赤になって言い返した。

「うっ、うるさい!だいたいはグリフィンドールになんか入ったのが間違いだ!

よりによってお前やウィズリ―、グレンジャーなんかがいるところにな」

「その前になんで君が をなれなれしく呼ぶんだ?」

「ポッター、お前にとやかくいわれる筋合いはないね!」




「なにやってるのかしら?ああん、もうっ先生が帰ってきたらどうなるのよ!!」

「それにしてもいったい何を喧嘩してるんだ?」

下ではロン、ハーマイオニ―達が上空での成り行きを心配そうに見守っていた。

ハリーとドラコの間には早くもをめぐって険悪な雰囲気が漂っていた。




とうとうやけを起こしたマルフォイが思い出し球を空中に放り投げた。

その後ハリーはそれを見事にキャッチし、様子をみていたマグゴナガル教授からグリフィンドールのシーカーのポストを獲得するという

幸運を頂戴したのである。



夕食時、 はまだ医務室から帰ってこず、あの飛行訓練の後ハリー達が面会に行っても会わせてもらえなかった。

、大丈夫かな?」

ハリーは顔を曇らせていた。

「大丈夫よ!マダム・ポンフリーがいったじゃない?頭をちょっと打って気絶してるだけでもうじき意識が回復するでしょうって」

ハーマイオニーがうな垂れている彼を元気付けるように言った。



「ああ、だけどあのときはやばかったぜ。ほんとに死んだのかって思ったしさ」

「もうロン!!縁起でもないこと言わないの!!」

ハーマイオニ―が馬鹿な友人のわき腹をこづいた。

「ほんとか、ロン―!!姫が頭打って医務室に担ぎ込まれたの??」フレッドが飛んできた。

「おい、ロニ―、姫は大丈夫か?俺ら後で見舞いにいくけどさあ!あっ!ハリー!お前シーカーになったんだって??」

「やったぜ!これで今年の試合はいただきだぜ。俺らビーターだからな!!」

「いくぜ!フレッド、姫のところに急がなきゃな!じゃあなハリー!!」

「フレッド!!今は面会謝絶だ・・あ〜あ、いっちゃった・・」

ロンがつぶやいた。




「おい、ポッター、最後の食事かい?あんなことしてただで済むと思うかい?」

すぐにマルフォイがやってきた。

「ところでポッター、 は大丈夫なのか?」

マルフォイの頬がこころなしかほんのりと赤い。

「大丈夫だよ!でも君に関係ないだろ。」ハリーがすぐさま冷たくいった。

「あなたシシーが好きなんじゃ・・。」横にいたハーマイオニ―がめざとくいった。


「ば、ばかっ!!お前に関係ないだろ!!行くぞ!」

ドラコは真っかっかになり子分をひきつれ退散した。






今日、ハリー達はへとへとに疲れていた。前日の夕食時、

またのことや他のことでハリーと口論になったマルフォイが、魔法使いの決闘を持ちかけ、

真夜中に決闘場であるトロフィールームに行ったのだ。

その途中、気絶していた が医務室から戻り、

おまけに寮の出口で「決闘を阻止しよう」と待ち構えていたハーマイオニ―に出くわした。

しょうがないのでハリー、ロン、ハーマイオニ―、 はそのまま決闘場に向かい、

そこでフィルチに見つかりそうになり偶然逃げこんだ場所でみてはならぬものを見てしまったのだ。

なんとそれはハグリッドのペット三頭犬だった。恐ろしいやら、なんやらで彼らはメチャクチャになって寮の出口まで生還した。

ハーマイオニ―だけがあの犬の足元にあった仕掛け扉に気づいたが。





 「なんなんだよあれは?あんなものホグワーツにおいとくなんてどうかしてるぜ!」

 翌日、ロンは眠い目をこすりながらオートミールをさかんかきこんで夕べのことをくっちゃべった。

 「あなた達ほんとにあれの足元みてなかったの?」

 ハーマイオニ―が呆れながら言った。

 「僕、足元なんかみてなかったよ。頭をみるので精一杯だったよ。」

 ハリーがもっともな意見を述べた。

 「シッ!声が大きいわよ。あ、フレッド&ジョージだ!」

  がこっちに向かってくる双子を見つけて三人をたしなめた。



 「おはよう!!姫!!昨日はよく眠れなかったの?目の下に隈があるよ!」

 「おい、ジョージあれのこといわないと。な、」

 「ああ、そうだった!姫今日の午後授業がないでしょう?少し我らにお付き合いできますか?」

 「えっ?もしかしていつも二人がやってる悪戯に参加させてくれるの??」 の目がきらきら輝いた。

 「お察しの通り!!じゃあ詳しい話はその時にね!!」そういうと双子はお決まりのキスを彼女にすばやくした。

 「うわ、兄貴達とうとう を悪戯仲間に引っ張り込んじゃったよ!ほんとにすごい惚れこみようだこと。」とロンがやれやれというように首をすくめた。



突然、ハーマイオニ―が天井を指差した。

何千羽というふくろうが天井を旋回し持ち主に手紙、小包などを届けにやってきたからだ。

ハリーの所にはハグリッドから、ロンは日刊預言者新聞が、 のとこには ミナから手紙が来た。

彼女のところに手紙を届けに来たのは濡れ羽色の大きなハシボソカラスで、

皿から食べかけのベーコンをひったくって飛んでいった。




 「へえ、君のとこふくろう便じゃなくてカラス便なんだ・・」

ハリーがハグリッドの手紙から顔を上げてまじまじと言った。

 「適当なふくろうがみつからなかったんじゃない?奴ら脂身が好きだから。

  あーあ、朝食のベーコン取られちゃったよ」


はそういうと残念そうに封を切った。

 
  


  元気にしてる?ホグワーツはどうかしら?あなたのお母さんは、入学した当初から毎日手紙を送ってきたわ。

  私は今イギリスの隣,アイルランドのダブリンにいます。丁度科学者の学会、講演会があってね。現地は聖パトリック・デイの飾り付け

  でそこらじゅうシャムロックだらけ。ねえアイルランドってとてもいいところだわ。ゴールウェイかダブリン辺り

  に屋敷を購入したいぐらいよ。ああ、もひとつ面白い人に出会ったわ。

  
  ギルデロイ・ロックハートといってね講演会にきてた作家なんだけど

  彼、私の開発薬ポリジュース薬(動物バージョン)にとても興味を持って本の題材に使っていいか?

  試供品を是非くれないか?とか言って来るの。何でも彼、アイルランドの魔女の間でかなり人気があるんですって。とにかく

  とても面白い人でしょっちゅう自分の書いた本の自慢とか、泣き妖怪バンシーを自分のスマイルで追い払ったとか。もう

  白昼夢を見てる感じで舌が宙に浮きっぱなしなのよ。もうそれみてるだけで爆笑しっぱなしだったわ。



  おまけにこの人と一緒に食事した時お酒が入りすぎて「あなたしか目に入りません。結婚しませんか?」といってくるのよ。

  私が「ロックハートさん、まずイギリスを攻略してからどうですか?」って切り返したら「ああ、そこまで気づかなかった

  ありがとう!伯爵夫人!!そうです、私のおおいなる野望は達成されていないのです!!」と張り切ってたわ。

  
  最後に、ケルト・ブローチを同封するわね。あなたが可愛い魔女になって我が家に帰ってくるのを楽しみにしてるわ。

  ミナより



「伯母さん、これって本気で口説かれてるんじゃないの?」

は手紙を読みながらくすくすと笑った。

「ねえ、ハグリッドからお茶にこないか?っていわれてるんだけど君、午後フレッド達と先約があるんだよね。」

そんな時、ハリーがひょいと顔をのぞきこみながら声をかけた。

「ああ、私に構わず行ってよ!たぶんいけないと思うわ。あの二人のことだから簡単に離さないと思うし」

「残念だなぁ、まあ兄貴達の方が早かったし」

ロンが納得したようにしめくくった。




友人であるハリーの生活は、とても忙しくなった。シーカーに選ばれ、ニンバス2000をマグゴナガル教授から頂戴して、

週三回のクィディッチ練習に参加するはめになったのだ。

10月、ハロウィーンの季節が到来した。「妖精の魔法」でフリットウィック先生は物を飛ばす術を教えはじめた。

「いいですか、ビューン、ヒョイ、ウィンガ―ディアム・レヴィオーサー。では皆さんご一緒に」

「ビューン、ヒョイ、ウィンガ―ディアム・レヴィオーサー!!」

「ウィンガディアム・レヴィオサ―!!」

「ロン、発音がぜんぜん違うわ!レヴィオサ―じゃな・く・てレヴィオーサー、ガーと長く綺麗にいわなくちゃ!」

「そんなに良くご存知なら君がやってみろ!!」

ロンはハーマイオニ―にかんかんになって怒鳴っていた。

「ねえ、 、1cmも浮かないよぉ。」

隣席のネビルはなげいていた。

「根気よくやらなきゃダメ、もう一回、もう一回。ウィンが―ディアム・レヴィオーサー!」

「ウィンガ―ディアム・レヴィオーサー!」

ハーマイオニ―が杖を振り上げた。

「おおっ、よくできました!皆さん見てください。グレンジャーさん、おや? さんもやりました!」

フリットウィックが嬉しそうに拍手してくれた。

この時間中、一センチでも羽を浮かすことができたのはこの二人だけだった。




「だから誰だってあいつには我慢できないっていうんだ!まったく悪夢みたいな奴さ!」

授業終了後、廊下でロンは、ハリーに不平不満をぶちまけていた。

その時、運悪くハーマイオニ―がハリーにぶつかって急いで追い越していった。

その顔は涙でぐしょぐしょに濡れていた。

「待ってよ!ハーマイオニ―!!」

が後ろから慌てて追いついてきた。

「やっばい」

ロンがきまり悪そうにいった。聞かれてたに違いない。

案の定、「何てことを言うのよ、この大馬鹿!!」

に追い抜きざまに特大の雷を落とされた。

彼らはは頭を棒でぶん殴られたような痛みを感じた。




ハーマイオニーは次のクラスにでてこず、その日の午後は一度もみかけなかった。

ミス・パチルやミス・ラベンダーの話によるとハーマイオニ―がトイレで泣いていて、

必死でなぐさめているが一人にして欲しいと言っているらしい。

「どうする?」

「あーあ、ダブルパンチだ。ハーマイオニ―を泣かしたし、 はカンカンに怒ってるし」

大広間でのご馳走を力なくよそおいながらハリー、ロンはため息をついた。




「トロールが!!地下室に・・お知らせしなくてはと思って」

突如、楽しい宴の最中にクィレルが全速力で走ってきて衝撃的な知らせをもたらした。

これはその場にいた人々に相当な衝撃を与えたことだけは間違いなかった。

「監督生!!すぐに生徒を引率して寮に帰るのじゃ!!」

重々しいダンブルドアの声が響いた。

大広間はたちまちパニックに陥り、混乱した生徒達が物凄い勢いで出口に殺到した。



「大変だ、あそこにはハーマイオニ―がいるんだぜ!」

もトロールのこと知らないよ!!」

ロン、ハリーは青ざめて叫んだ。

二人はパーシーに気づかれないように女子トイレに向かって走り出した。






「ハーマイオニ―、そろそろでてきて頂戴!ねえ、私の友達はあなただけなのよ!

ロンやハリーやその他の皆がどうこういおうが、

私は一度だって、あなたのことを頭でっかちだの我慢できないだの思ったことないからね!」

「わかったわ、あなたには負けたわよ」

彼女の長い説得の結果、やっと個室からハーマイオニ―がでてきた。

「ほら、涙ふいて」

彼女はそういうとポケットからハンカチを取り出した。

、あ、あ、あれ・・」「何?あっ!」

二人は抱き合い、揃って絹を切り裂くような悲鳴をあげた。



「あっちだ!」

「今の声間違いない!!」

その声を聞きつけたロンとハリーは全速力でトイレに向かった。

悲鳴が立て続けに上がった。

女子トイレに入ってきたトロールが洗面台、壁などをめちゃくちゃに壊し隅にいる二人を追い詰めていたのだ。

「ハーマイオニ―!」

!」

間一髪、ドアがこじ開けられロンとハリーが乱入した。

「早く走れ!!走るんだ!!」

ハリーが二人に向かってよびかけたがハーマイオニ―と は恐怖のあまり動けなくなっていた。



「やーい、うすのろ!」

ロンはトロールの気をそらすために金属パイプを投げつけた。

トロールがロンに気づき棍棒を振り上げて近づいてきた。

ハリーが飛び出し、トロールの後ろに回り腕をトロールの首に巻きつけた。

彼の持っていた杖がトロールの鼻に突き刺さり、トロールはメチャメチャに棍棒を振り回し彼を叩き落そうとした。

「なにかやれ!」

「なにを?」

ハリーが向かってくる棍棒を交わしながらロンに命じた。

「ビュ―ン、ヒョイ」

ハーマイオニ―が声をあげた。

「ウィンガ―ディアーム・レビオーサ〜!!」

その言葉になぞらえてロンが杖を降り、その呪文で棍棒が空中を舞ってトロールの頭にノックアウトした。

トロールはその場にぶっ倒れた。




「これ、死んだの?」

ハーマイオニーが気味悪そうに二人に尋ねた。

その時だ。

トイレにマグゴガナル、クィレル、スネイプがなだれこんだ。

「いったい、あなたがたはどういうつもりなんですか!?」

マグゴナガルは開口一番、大きな雷を落とした。

「先生、わけを聞いてください!!私がここへトロールを探しにきてやっつけようと思ったんです。

三人は私を助けにきたんです!!三人は悪くないんです!!」

ハーマイオニ―がマグゴナガル教授に真っ赤な嘘をつきはじめた。

三人はびっくり仰天した。あの嘘やまやかしとは無縁の優等生が何をやっているのかと。


「ミス・グレンジャー、グリフィンドールから五点減点です。

ポッター、ウィ―ズリ―、ミス・ 、野生のトロールと対決できる1年はそうざらにはいません。

四人共怪我はないですね?三人に五点ずつあげましょう。さ、自分の寮にお帰りなさい」


マグゴナガルはほっとした笑みを浮かべると、ヒーヒー悲鳴を上げているクィレルをひきつれてでていった。

ハリー、ロン、ハーマイオニ―、 もすぐその後に続いた。



、こっちを向け」

最後に残ったスネイプがむっつりと命じた。

「はい?あっ!」

スネイプの振った杖が彼女の頬の切り傷にあたった。

トロールが洗面台をぶっ壊したときガラスの破片で切って出来たものだ。

だが、今や赤い醜い傷跡は影も形もなくなっていた。

は慌ててこの教授に礼を述べた。

スネイプは不機嫌に顔を背けると大またで立ち去った。

「スネイプって冷血で有名じゃなかった?」

ロンがぽかんと口を開けたまま呟いた。

「グリフィンドールの生徒いつもこけにして・・なんであんなことしたんだろう?」

ハリーまでもがわけがわからないという顔で呟いた。








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