「サスケ!!」

「センセイッ、お願いです、やめて下さい!!」

、ジライヤの絶叫がこだます中、ガリは屋根から転げ落ちた

サスケの首根っこを容赦なく足で踏んづけた。

「これで分かったか!絆など下らん情だということが!!」

「そんな石など何の役にもたたん!」

その言葉にジライヤは激怒し、返事の代わりに目の前にあった砂を鷲づかみにすると、

思い切り投げつけた。

「そんなに私が憎いか?ならば立ち上がって来い・・Come on!!」

ガリはぺっと顔にかかった砂を吐き出すと、耐え難い怒りに打ち震えるジライヤを挑発した。

「Get Back!(下がってるんだ)」

彼は厳しい口調でを後ろに下がらせると、物凄い声を張り上げて突っ込んでいった。

「やめろ、ジライヤ・・やめるんだ・・」

ガリに首根っこを踏んづけられても、サスケはまだ弱弱しく呻いていた。

「Yeah・・That's it.いいぞ、やっとその気になったようだな・・」

次の瞬間、ガリは右腕から鋭い鍵爪を装備し、ジライヤの動きを止めた。

「ああっ・・」

彼は目を大きく見開き、絶句した。

「まさか・・そんな・・先生が・・あの時の・・」

やっと口が聞けるようになった時には、彼は激しい怒りもどこへやら、がっくりと

膝をついて地面にくずおれた。

「その通りだ・・今頃気がついたか・・」

ガリはサスケを踏んづけていた足をどけると、反対側の足で彼を蹴り上げた。

サスケの悶え苦しむ声、父親殺しの真犯人が、敬愛する師だと分かって錯乱するジライヤ。

彼の腕にしがみつくも酷くショックを受けていた。

「地獄へ行け!」

だが、感傷に浸る間もなく、筆架叉(日本の十手のようなもの)と鍵爪を振り上げた

鬼のような形相の男が迫った。

ジライヤははっと正気を取り戻し、反射的にを突き飛ばすと、ガリの振り上げた手をつかんでなぎ払い、

強烈な肘打ちを食らわして吹っ飛ばした。

その俊敏な動きを読みきれなかったガリは、驚愕して後ろに飛びさすった。

「許せない・・センセイが父を殺したなんて許せない!!」

ジライヤは今度こそ、戦いの叫びを上げ、仇に向かって突っ込んでいった。

「ジライヤ!!」

ポーチの隅に転がったサスケはむなしい叫びを上げ続けた。

「仲間の心配をしている余裕があるのか・・お前は自分の心配でもしているんだね!!」

サスケが葡萄樽の間に転がっているのを見つけたミラは、彼の胸をロングブーツで踏んづけて言い放った。

「サスケ・・とか言ったな。覚悟おし。お前の命、ここまでだ!」

ミラの口調が凄みを帯びた。たちまち彼の喉笛にレイピアーが迫る。

サスケが半ば覚悟を決めた時、龍手裏剣や暗緑色の鉄扇がバサバサと飛んで来て

今しがたミラの長髪があった白塗りの壁に突き刺さった。


「言ったでしょう?お前は私が消すと。さっさとサスケから離れて!さもないと容赦しない!!」

は印籠でさっと忍び装束に早変わりし、忍刀を逆手に構えて凄んだ。

「いいだろう。お前もジライヤのように地獄へ送ってやる!」

ミラはその言葉に不適な笑みを浮かべ、レイピアーの切っ先をサスケの喉元から離すと、ポーチの柵を

ひらりと飛び越えて彼女の前に降り立った。





次回、親子+師弟対決終焉を迎えます。









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