少年を連れたサスケとは、廃材の山が積まれた工事中のマンションの裏手に回りこんだ。

一方、帰りがあまりに遅すぎると心配した四人の仲間は、あちこちの聞き込みで

この先の商店街で二人の男女と少年が謎の女の集団に

襲われていたとの情報をつかんでいた。

更に商店街の一角にあるパン屋に足を踏み入れた時、パン屋のおかみさんと

隣の薬局の女性薬剤師がさるぐつわをかまされ、縛り上げられて

床に転がっているのを発見した。

「サスケ・・」

、イマタスケニイクカラマッテナ!」

鶴姫、ジライヤはパン屋のぴかぴかに磨き上げられた床に散乱した

菓子パンや調理パンの山を目にしてこれはただごとではないと感じていた。

二人は少年と共に工事中のマンションの裏口に通じるドアの取っ手を回し、組み合わされた足場を上って

建物の中に入り込んだ。

少年は心細さのあまり、母親の名前を泣きそうな声で呼び、それを耳にしたサスケとはどうすべきかと途方に暮れた。

「お兄ちゃんやお姉ちゃんが一緒にいるからこんなことになったんだ!いけよ、あっちにいけってば!!」

さらにこんな事件に巻き込まれて憤懣やるかたない少年は、二人を恨みがましく

睨みつけて文句を並べ立てた。

サスケはその言葉に胸を突かれたが、それでも心を尽くして辛抱強く、この少年を説得し始めた。

「これがある限り俺達の居場所が分かるのか・・」

それが終わると、サスケとは印籠を懐から取り出してさっと目くばせしあった。

「でも、今これを捨てれば私達は変化出来なくなる。そんなこと・・」

もとてもつらそうだったが、迷いに迷ったあげく、サスケに続いて

印籠を思い切って投げ捨てた。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん・・」

少年は、床に転がった二つの印籠をじっと感慨深げに見つめていたが、サスケの「俺たちはこれでいいんだ。さ、行くぞ」

の一言に立ち上がりかけた。



「危ない、伏せて!!」

不穏な空気を察知したの悲鳴、彼女がさっと取り出した鉄扇にぐさぐさと二枚の手裏剣が突き刺さる音が響いた。

サスケは冷たいコンクリートの床を転がって少年を庇い、きっと前方を見据えた。

「くの一組!!」

サスケは背中に立てかけていた忍刀を鞘から抜き、は鉄扇から突き刺さった手裏剣を叩き落すと

殺人的激怒に駆られて叫んだ。






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