「桜子ちゃん!」
鶴姫は建物の三階からとっくに飛び降りて、悲壮な面持ちで忍刀を振るっていた。
「退きなさいよ!」
は変化する間も惜しいぐらい、一人、また一人と
ドロドロの槍を持った手首をはっしと掴むと
その胸に素早く拳を叩き入れて、足をなぎ払っていた。
ここでようやく彼女達の居場所をつきとめた男忍達が乱入した。
ジライヤは早速、に襲いかかろうとしていた一人を回し蹴りで倒し、
その前に降り立ったサイゾウは敵の槍を持った腕をつかみ、きつい突きを首に入れていた。
サスケも敵の首と胸に素早く突きを入れると「鶴姫、ここは俺達に任せて追え!」
と叫んだ。
「頼んだわ!」
鶴姫は目の前にいた最後の一人の面目掛けて忍刀を振り下ろすと駆け出した。
忍び装束から普段着へと衣替えした鶴姫は、連れ去られた桜子の名を呼びながら、
ハイテクな高層ビルが立ち並ぶ国際会議場の広いエントランスを駆け抜けた。
国際会議場近くの高層ビルが立ち並ぶエントランスでは、狐のお面を被ったドロドロ達が
我が物顔で歩き回っていた。
一人のドロドロが、コンクリート板のところで狐の鳴き声がするのに気付いた。
それに惹かれた五人のドロドロもどこからか集まってきたので
サスケ達はコンクリート板の陰から出したり引っ込めたりしていた狐の面を放置した。
まんまと罠にひっかかかったドロドロが何事かとコンクリート板によじ登ったところで
サスケがその足をなぎ払った。
「狐のマネをしやがって、なめんなよ!」
彼の一声で、次々と隠れていた仲間が出てきてた。
ジライヤとサイゾウは慌てふためく敵の足をひっかけて
すっ転ばせ、セイカイは正面から首をむんずとつかんで突きを入れたり、
はそうっと敵の背後に回ると、素早く腕を首にかけて締め上げると気絶させた。